「温故知新」ってほどでもないけども

GRⅢが発売されて早1年(2019年3月発売)。
未だ購入に踏み切れていない筆者です。

私がGRⅢを購入するかどうかは置いといて、今回はGRⅡを通じてGRシリーズに魅力に迫ってみたいと思います。
まだGRシリーズを使ったことのない方の参考になればいいなぁ。

GRの魅力

1、デザイン

GRの魅力は、何と言ってもまずこの外観。
GRⅡ_RICOH
一切の装飾を排した無骨なスタイルがファンを魅了してやまないのです。
手の平に収まる小柄なボディサイズでありながら1,620万画素のAPS-Cセンサーを搭載。
「小型・高画質」を高次元で両立した、それはそれは素晴らしいカメラなのです。

GRⅡ_RICOH18.3mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/20秒・F2.8) / ISO 3,200

高感度撮影も、APS-Cセンサーで余裕のある描写。
夜間の手持ちでここまでのクオリティを出せれば、三脚も必須の持ち物ではなくなります。
フットワークが一気に軽くなりそうですね♫

2、速写性

GRの「速写性」を支える機能に、フルプレススナップというものがあります。
フルプレススナップは、カメラのシャッターボタンを一息に押し込むと、あらかじめ設定しておいた任意の合焦距離に合わせて撮影をしてくれる機能です。
AFの合焦を行わずシャッターを切るため、スピーディーな撮影が可能となります。

GRⅡ_RICOH13.7mm(21mm相当)/ 絞り優先AE (1/1250秒・F2.8) / ISO 100

撮影者が思い立ったとき、カメラが即座に応えてくれるのです。
このスピード感は、他のカメラではなかなか味わうことができません。

GRの代名詞とも言えるフルプレススナップは、瞬間を切り取るスナップ撮影において大きな力を発揮します。
一度でもGRシリーズを使ったことのある人でしたら、そのレスポンスの良さに大きな魅力を感じたことでしょう。

速写性を語る上で重要な要素がもう一点、それはカメラの起動の速さです。
GRⅡの起動時間は脅威の1秒
ポケットにカメラを収納した状態でシャッターチャンスに直面したとしても、取り出して構えるまでの間にGRⅡはスタンバイが完了するのです。
GRⅡ_RICOH

起動時のレスポンスの早さは、一瞬のシャッターチャンスを求められる路上スナップにおいて強い味方となります。

GRⅡ_RICOH18.5mm(28mm相当)/ シャッター優先AE (1/13秒・F8) / ISO 100

3、絞りによる描写の違い

ここからは実際の写りについて見ていきましょう。
GRⅡはそのボディサイズからつい大型センサーが搭載されていることを忘れがちですが、絞り開放時にはセンサーサイズの大きさを存分に味わうことができます。

GRⅡ_RICOH18.5mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/500秒・F2.8) / ISO 100

絞り開放時で撮ると、自然で美しいボケを味わうことができます。
シャッター速度は1/4,000秒まで使用可能なため、日中帯でも絞り開放で気兼ねなく撮影することができます。
ありがたいですねぇ(*´∀`*)

絞ればパンフォーカスでの撮影も楽しめます。

GRⅡ_RICOH18.5mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/800秒・F6.3) / ISO 100

ピントは手前のミラーに合わせていますが、背景の建物や空の雲までくっきりと描写されているのが分かります。

絞りの設定で画像の仕上がりは大きく変わります。
そこには是非、あなたの意思を反映させてください。

4、大型センサーと画像処理エンジンの恩恵

高性能なセンサーとレンズ、画像処理エンジンにより、複雑なニュアンスの空も見たままを写し止めることが可能です。

GRⅡ_RICOH18.5mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/60秒・F2.8) / ISO 100

モニターで画像の確認をした際、その緻密な描写に思わず息をのみました。

ダイナミックレンジの広さも、GRⅡの見逃せないポイントの一つ。
輝度差の大きい日中の晴天時においても、ハイライトとシャドウのデータを潰さずに残すことができます。

GRⅡ_RICOH18.3mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/40秒・F6.3) / ISO 125

人物と背景の描写から、GRⅡの懐の深さが分かります。
露出の許容範囲が広い分、撮り手は被写体に集中できるです。
それはGRⅡを使用する上での大きなメリットですね。

5、Wi-Fi機能

専用アプリを介してGRⅡとスマートフォンを接続すれば、遠隔での撮影を行うことも可能です。

GRⅡ_RICOH13.7mm(21mm相当)/ 絞り優先AE (6秒・F4.5) / ISO 100

手元のスマートフォンで実際にカメラに写る像を見ながら撮影を行えるので、三脚を据えての撮影が格段に楽になります。
友人と集合写真を撮るときにもおすすめの機能ですね。

6、クロップモード

意外に見逃せない便利機能、クロップモード。
通常の28mm相当の画角に加え、クロップにより35mm相当、47mm相当の画角で撮影することが可能。
幅広い撮影範囲をカバーすることができます。
GRⅡはレンズから被写体まで最短10cmまで寄ることができるため、クロップモードを併用して擬似的なマクロ撮影を行うこともできます。

GRⅡ_RICOH18.3mm(28mm相当)を47mmにクロップ/ 絞り優先AE (1/50秒・F3.2) / ISO 100

別売りのワイドコンバージョンレンズも含めれば21mm/28mm/35mm/47mmの焦点距離を小型のボディで実現することが可能となり、GRの守備範囲は一気に拡大します。
クロップ機能は画像編集ソフトでまかなえる部分ではあるけれど、ワンタッチで画角を変更できる仕様にしたところにGRの持つ哲学が垣間見える気がします。

撮影後にPCのモニターを見ながら画像のトリミングをするのではなく、その時々において画角の選択という明確な意思をもって撮影に臨むべきだとGRは言っているのです。

GRと共に成長する

写真の腕を上げるにはどうすれば良いのでしょう。
「とにかく撮影することだ」と写真家は言います。
自分の撮影した写真を見返す、もしくは他人に見せて批評をもらうことで写真の腕は向上していくのです。

ですが、日常にどんな魅力的な被写体が潜んでいたとしても、常に一眼レフを首から下げて生活することはできません。
どんなに高性能なカメラであろうと、持ち出さなければただの置物なのです。

その点GRは軽快です。
胸ポケットに軽く収まるサイズなので、撮りたいときの気持ちに即座に応えてくれます。
そう、GRは撮り手を成長させてくれるカメラなのです。

GRⅡ_RICOH18.3mm(28mm相当)/ 絞り優先AE (1/640秒・F2.8) / ISO 100

GRシリーズのカメラは、普段スマートフォンでしか撮影を行なっていない世代にこそ使って欲しい。
画角はスマートフォンのカメラに近い換算28mmで馴染みも深く、違和感なく使えるはずです。
高い限界値を持ったカメラが、きっとあなたの感性を形にしてくれるでしょう。