技術料ってなに?高くね?

最近SNSで「〇〇の技術量が高い!」「ただパーツ付けただけでボッタくりじゃん」のような発言をしている方を多く見かけます。
そして時折引き合いに出されるのが、私のバイブルでもある「湾岸MIDNIGHT」のこの名言。湾岸MIDNIGHT15巻「たとえば10万円のオイルクーラーを付けたいという。R(GT-R)あたりなら工賃4万円は取るだろう。車が仕上がって客は驚く。オイルクーラーをただ付けただけで4万もボラれたと」(第15巻P.74)
ここまでの流れはテンプレ!( ^∀^)

まぁね、そう思うのも分からないこともないです。

上記の言葉にはこう続きます。
「自分の手でやったことがないのでその工賃の意味がわからない」

そういうことです。
自分の手で作業をした経験の少ない方は、その作業がどれだけ大変なものか、どれほどの技術が必要なものか分からないため、「技術料」の意味が理解できないのです。

身近なものからいじってみよう

私ごとですが、最近引っ越しをしました。
もともとバイクの消耗品交換とか家電の設置、家具の組み立ては常に自分でやってきたケチな私です。

今回の引っ越しでも家具や家電の設置が発生したので、この機会に世間で議論されている「技術料」について考えてみました。

チャレンジしたのはこちら。
テレビのアンテナ端子
の交換です。
旧アンテナ差込口
古っ!
いやはや、物件の内見のときには気にも留めなかったのですが、アンテナケーブル挿す穴がめっちゃ古かったのです。
これはさすがに笑いましたね。

このままだとテレビが見られないのでとりあえず最新のものに交換していただけないかオーナーさんに相談しましたが、工賃がかかるためあまり乗り気じゃない様子(何か所か電器屋さんに問い合わせたところ、出張費と技術料、部品代合わせて5,000円程度が相場でした)。

交換は自由にしても良いとのことなので、「私が自腹で交換しても良いですが退去時は現状回復します。部品代いただければアンテナ差し込み部交換したままにしますけど、どうされますか?」と提案。
「じゃあよろしく」ということで部品代は持っていただけたので、早速ホームセンターで購入。アンテナ接続部部品部品代750円なり(同型のものがAmazonでは830円)。

ネットで検索しながら30分ほどかけて交換。
アンテナプラグ部アンテナ差し込み部部品交換アンテナ差し込み部部品交換設置は完了し、無事にテレビを見ることができました。
アンテナ部品交換完了買い出しと設置、しめて2時間くらいでしょうか。

お次の案件。
引っ越すたびに行う温水洗浄便座の設置。
説明書に沿って行えばそれほど難しくはありませんが、建物によってはパイプの形状が違うので注意が必要です。温水洗浄便座設置給水用のバルブをパイプに繋ぐところは、水道の元栓を止めないといけないのでちょい面倒です。
水道元栓トイレに電源プラグがなかったりトラブルはありましたが(どんだけ古いんだこの建物)、無事に設置完了。
ウォッシュレットの電源は、845円の延長ケーブル(5m)で対応しました。

Amazonで最安675円の製品がありましたが、到着に時間を要するため今回は近所の家電量販店で購入しました。


温水洗浄便座設置完了元から設置されていた便座は部屋を引き払う際に現状回復が必須となるので、ホコリをかぶらないように保管しておきましょう。部品の購入と設置で、所要時間はこっちも大体2時間くらいかなぁ。

技術料について考えよう

さて、計算の時間です。
東京都の最低賃金は2020年5月時点では1,013円ですが、プロの技術者の時給がそんなに安いはずがありません。

2019年版の職種別の平均年収は、技術系(電気/電子/機械)で469万円だそうです。
参考サイト:doda平均年収ランキング 最新版【職種別】
ざっくり計算しますね。

年収4,690,000円 ÷ (1日の平均勤務時間8h × 月の勤務日数22日) = 2,220円

プロの技術者の時給は、おおよその計算で2,220円と出ました。

上のアンテナ交換は買い出しの時間2時間(時給計算4,440円)、部品代が750円だったので合計で5,190円。
電器屋さんに依頼した際の相場が5,000円程度なので、手間を考えると良い感じの設定金額じゃないでしょうか。

温水洗浄便座の設置費用は10,000円程度が相場のようですね。
※参考:くらしのマーケットマガジン

ちなみに大手家電量販店では、購入した製品であれば6,600円で設置してくれるようです。
※参考:ビッグカメラヨドバシ.com

今回はイレギュラーで延長ケーブルを購入することになりましたが、技術者の移動と設置で2時間ほどを要すると考えればかかる経費は4,440円。
1.5~2倍程度の費用はかかりますが、水回りは漏水のリスクがあるので技術を買うと思えば決して高くはないでしょう。

まとめ

自分で作業をするのは、かかる費用を最小限にできるなど良い面はありますが、当然リスクもあります。
例えば水回りの取り付けであれば下手をすれば水漏れの可能性がありますし、バイクや自動車のカスタムとなれば、最悪の場合は故障や交通事故につながる危険性もあります。

確実さを求めてプロにお金で依頼をするか、リスクを承知で自身の手で行うかはあなた次第です。

依頼をする際はどのくらいお金がかかるかをしっかりと確認し、その上で金額に納得がいかなければ他の業者に依頼をするか、ご自身で作業を行いましょう。
間違っても「金額が高い」などとケチを付けてはいけません。
私たちには選ぶ権利があるのですから。